【亀井岬IFAコラム】富裕層の資産運用(日銀の利上げにおける投資戦略はどのようなものか?)

2025年3月31日(月)
株式会社アイ・パートナーズフィナンシャルの所属IFA、亀井岬と申します。
金融資産を1億円以上保有される富裕層の方々からご相談をお受けしております。
専門家や機関投資家が愛用するブルームバーグの専用情報端末を利用し、債券分析やポートフォリオ分析を行っております。現在は数十世帯から数十億円の資産を仲介する証券口座で管理し、資産運用のアドバイスを行っております。
本日は「富裕層の資産運用(日銀の利上げにおける投資戦略はどのようなものか?)」についてお話させていだければと存じます。最後までご覧いただけましたら幸いです。
またポートフォリオ見直し、債券に関すること、資産承継、投資教育など、ご相談に関しましては以下のフォームよりお申込み頂けましたら幸いです。(ご相談は金融資産1億円以上の富裕層の方々から賜っております)
富裕層の資産運用(日銀の利上げにおける投資戦略はどのようなものか?)
・なぜ日本銀行(日銀)は利上げを行うのか?
- ・なぜ日本銀行(日銀)は利上げを行うのか?
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日本銀行(日銀)は長く続けてきた超低金利政策を見直し、利上げの方向へ動き始めています。その背景には、最近の日本経済で物価と賃金が上昇し、日銀の目標である「物価上昇率2%」が実現しかかっていることがあります。
特に、新型コロナ後の世界的なインフレを受けて、欧米の中央銀行は大幅な利上げを行いました。しかし、日本はゼロ金利のまま据え置いたため、日本と海外の金利差が拡大し、その影響で急激な円安が進んだと言われています。
円安が進むと、輸入品の価格が上がり、さらに国内の物価上昇につながるため、日銀は円安を抑える目的でも利上げを検討していると言われています。
つまり、日銀が利上げを進める主な理由は、①インフレを抑えるため ②急激な円安を防ぐため の2つであると言えるのではないでしょうか。
実際、日本の消費者物価指数は前年比で3~4%ほど上昇しており、かつての低インフレ時代とは状況が大きく変わりました。
ただし、この物価上昇の多くはエネルギーや食品価格の上昇(=コスト増によるインフレ)によるもので、景気が活発になって需要が増えた結果ではない点が、日銀の悩みどころです。
一方、海外の状況を見ると、アメリカや欧州では現在は金利引き下げのフェーズにあるとは言え、過去数年で政策金利を大きく引き上げてきた状況です。
それに対し日本の政策金利はようやく+0.5%まで上がった段階です。このように金利差は引き続き大きなものであり、継続的な円安から日本国内では輸入品の価格上昇が続いています。
そのため、日銀は利上げによる景気への影響を考えながらも、物価と円の安定を目指し、慎重に段階的な利上げを進めようとしているのです。
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富裕層に及ぼす影響はどのようなものか?
「金利上昇は資産運用にどんな影響を与えるのか?」——日銀の利上げが住宅ローン、不動産投資、そして為替市場に及ぼす影響は計り知れません。富裕層が取るべき戦略と、これからの市場環境にどう適応すべきかを考えていきたいと思います。
・日銀の利上げは借入金利を上昇させるのか?
・日銀の利上げは不動産市場へ影響を与えるのか?
・日銀の利上げは為替市場へ影響を与えるのか?
- 1.日銀の利上げは借入金利を上昇させるのか?
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日銀が利上げを行うと市場の金利が上がり、住宅ローンや不動産投資ローンの金利も上昇します。例えば1億円の住宅ローンを変動金利で借りている場合、金利が0.15%上がるだけで、毎月の返済額が約4,000円増えるとの試算があります。
わずかな上昇に思えますが、借入額が大きいほど利息の負担は増えます。仮に今後金利が1%上がると、毎月の返済額が数万円単位で増え、長期的には家計への影響が無視できません。
不動産投資ローンも同じです。投資向けローンの金利は住宅ローンより高めに設定されているため、ただでさえ大きい金利負担がさらに大きくなることになります。
たとえば、2,000万円の投資ローン(金利2.5%・35年返済)で金利が0.5%上がると、毎月の返済額が約5,500円増える資産となります。
借入額が1億円規模なら、負担増は単純計算で5倍となり、毎月2~3万円以上増える可能性があります。賃貸物件の利回り次第では、ローン返済が家賃収入を圧迫し、手取り収益が減るだけでなく、赤字になることもありえます。
また、金利が上がると銀行の融資姿勢も厳しくなります。借り手の返済リスクが高まるため、銀行は融資審査を厳格化し、貸出額を抑えたり、金利を上乗せしたりする傾向があります。
住宅ローンでは、審査時に想定される金利(審査金利)が引き上げられることで、同じ年収でも借入可能額が減る可能性があります。
- 2.日銀の利上げは不動産市場へ影響を与えるのか?
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不動産市場は金利の変動に敏感です。もし日銀が2025年末まで利上げを続けた場合、不動産価格の下落リスクも想定する必要があるかもしれません。
住宅ローン金利が上がると毎月の返済負担が増え、家を購入する人が減り、市場の需要が冷え込む可能性があります。建築コストも上昇している中で金利まで上がると、購入を見送る家庭が増え、住宅販売は鈍化すると予想されます。
また、変動金利で住宅ローンを組んでいる人の中には、返済額の増加に耐えられず、物件を手放さざるを得ないケースも出てくるでしょう。
中古住宅の売り物件が増えると供給過剰となり、不動産価格の下落圧力が強まります。投資用不動産も同様で、融資コストの上昇により投資意欲が低下すると考えられます。
利回り(キャップレート)が上昇すると、商業不動産の評価額も下がる可能性があります。特に採算がギリギリの高額物件や地方の物件では、金利上昇による収益圧迫が価格下落につながりやすいでしょう。
しかし海外投資家から見ると日本の不動産市場は依然として安定した経済・政治環境を背景に魅力があると考えられています。多少の金利上昇では日本の不動産への投資意欲が大きく下がることはないとの指摘もあります。
- 3.日銀の利上げは為替市場へ影響を与えるのか?
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日米欧の金利差の変化は、為替相場(円レート)に大きく影響します。一般に、日本の金利が低いと、円を売って他国の通貨で運用する「キャリートレード」が活発になり、円安圧力が高まります。
一方で日本の金利が上がると、円を買い戻す動きが強まり、円高になりやすくなります。ここ数年の急激な円安も、日米の金利差が広がったことが主な要因とされています。
今後、日本が追加利上げを行い米国がさらなる利下げに転じれば、円高方向に動く可能性があります。実際2024年末には円安が進み、1ドル=155円近辺まで下落後、日銀の政策修正観測を受けて150円前後まで円高に戻る場面もありました。
このように、金利見通しによって円高・円安のどちらにも動く可能性があり、為替相場の不確実性は高まっています。そして為替の変動は、富裕層の消費や投資にも影響を与えます。
メリットとしては円高になると円の価値が上がるため、海外旅行や海外での高額消費がしやすくなります。実際、円高時には欧米旅行や海外不動産、美術品の購入が活発になる傾向があります。
一方、円安になることで輸入品や海外旅行費用が割高になり、海外の資産取得にもより多くの円が必要になります。昨昨今の急激な円安局面では、海外旅行を控える動きも見られました。
しかし、円安にはメリットもあります。外貨建て資産を多く持つ人は、円安になると資産の円換算額が増えます。たとえば、ドル建ての株式や不動産を持っている場合、円安によって含み益が膨らむことになります。
重要なのは為替の変動が資産の構成によってプラスにもマイナスにもなる点です。そのため特定の通貨に偏らず、通貨分散を行うことで、円高・円安どちらの局面でも資産の価値を守ることが一つの選択肢となります。
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富裕層の投資戦略
日銀の利上げは、経済が正常な状態へ戻るプロセスの一環であると言われています。短期的な変動に左右されず、長期的な視点で資産を管理することが大切です。
適切に分散されたポートフォリオがあれば、金利の変化にも柔軟に対応できるでしょう。最後に本日は二つの観点から日本銀行が利上げを行う中で検討可能な投資の考え方についてお伝えして行きたいと思います。
・利上げに恩恵がある資産への投資を考える
・利上げの長期的な影響を見極めた投資を考える
- 1.利上げに恩恵がある資産への投資を考える
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利上げ局面では一見すると投資対象全般にマイナスの影響を及ぼしそうですが。実際にはプラスの恩恵を受けるものも存在します。例えば銀行・保険といった金融株が具体例として挙げられます。
これらのセクターは利上げ環境下で業績拡大が期待できるだけでなく、高配当のものも多く、インカムゲイン(配当収入)を狙う投資としても検討されます。
ただし、急激な金利上昇は貸出先企業の信用リスクを高め、結果的に金融機関に悪影響を及ぼす可能性もあります。そのため投資対象としては財務基盤のしっかりした金融機関を中心に投資を考えていくことをおすすめしています。
ではなぜ金融業界が日本の金利上昇によって恩恵があるのでしょうか?銀行業界と保険業界に分けてご説明します。
まず銀行業界ですが、一般的にこの業界は金利が上がると収益が改善しやすいと言われています。その理由は以下の二つの「利ざや」が拡大するためです。
- 貸出金利と預金金利の差
銀行は、預金を集めて企業や個人に貸し出すことで利益を得ます。金利が上がると貸出金利の上昇幅が預金金利より大きくなり、利ざやが広がります。 - 日銀当座預金からの受け取り利息の増加
銀行が日銀に預ける資金に対する利息が増えることで、収益が改善します。
実際、日本の銀行株は金利の動きに敏感であると言われています。2024年に日銀がマイナス金利を解除して利上げに転じた後、メガバンクを中心に株価が堅調に推移しました。
さらに、日本のメガバンクは海外にも事業を展開しており、すでに欧米の金利上昇の恩恵を受けています。そこに国内の金利上昇が加わることで、今後も安定した業績が期待できるかもしれません。
次に保険株ですが生命保険などの保険会社も長期金利が上昇すると資産運用の利回りが向上し、収益が改善しやすくなると言われています。
例えば、日本生命は2024年11月に一部の保険商品の予定利率(契約者に約束する利回り)を約40年ぶりに引き上げると発表しました。
これは、超低金利時代には予定利率を引き下げざるを得なかった保険業界にとって、大きな転換点となります。予定利率の引き上げによって、保険商品の魅力が高まり、新規契約の増加や契約者への配当の改善につながる可能性があります。
- 貸出金利と預金金利の差
- 2.利上げの長期的な影響を見極めた投資を考える
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次に利上げの流れが今年中で終わらず長期化した場合に、どのような投資方法を検討して行くべきかをお伝えしたいと思います。
結論から申しますと、もし日本の短期金利の引き上げが継続し、短期金利が1.5%あるいは2%を超えてくると言うことを想定するのであれば、今このタイミングで大きく投資を行う必要はないかもしれません。
つまり短期的な金利上昇への対応だけでなく、中長期的な視野での資産配分の見直しが重要になると言うことです。例えば不動産を例にして考えてみたいと思います。
利上げが長期化した場合、住宅や商業不動産など実物不動産市場に徐々にマイナスの影響を及ぼす可能性が考えられます。
金利上昇により住宅ローン金利や不動産投資ローン金利が上昇すると、購入希望者の資金調達コストが増し、不動産需要は減退する可能性があります。
2013年からの日銀の量的金融緩和以降は多くの投資対象が紆余曲折はあれ大きく値上がりしたというのが現状です。
しかし日本銀行の金融政策のスタンスが断続的な利上げという方向性になるのであれば、保守的な資産運用ほう検討する局面に入ったと言えるかもしれません。
つまり金利の動きや市場価格の変化を見極め、好機が訪れたときに優良な物件を取得することも検討される局面ではないでしょうか。
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私にご相談いただくメリット
今回の記事は皆さまのお悩みやご関心に沿うものとなっていたでしょうか?私は冒頭でお示ししましたように、金融資産を1億円以上保有される富裕層の方々から投資に関するご相談をお受けしております。
以下は手前味噌ではございますが、ご相談の際に特にご好評を頂き「亀井に相談して良かった。」とおっしゃっていただいているポイントでございます。
- 専用情報端末を使ったリスク分析・債券分析
- 大学での講師経験に基づいたライフプラン作成
- 蓄積された富裕層に対する資産運用アドバイスの経験
- 1.専用情報端末を使ったリスク分析・債券分析
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私はプロの機関投資家も愛用するブルームバーグという専用情報端末を用いて、様々な分析を行っています。
ブルームバーグは相応の費用がかかることもあり、IFAとして活動しているアドバイザーは日本に数千人存在しますが、このシステムを導入しているようなアドバイザーは1%もいないのではないでしょうか。
少なくとも私は過去1人しかお話を伺ったことはございません。ブルームバーグを用いることで、①ポートフォリオがどれだけのリスクを取って運用されているのか ② リーマンショックなどの大きなショックが起こった際の最大損失シミュレーション ③ ご相談者ごとの理想的な資産配分等の分析が行えます。
実際に分析を行わせて頂いたお客様からは、「リスクに非常に偏りがあったことがわかった。」など、さまざまなご感想を頂いております。
また債券は一般にはその情報が公開されていることが少ないため、上述のブルームバーグのような専用情報端末を用いた分析が欠かせません。債券の値動き分析、ご要望に合わせた債券の発掘など様々な側面でお役に立つお話をさせて頂いております。
- 2.大学での講師経験に基づいたライフプラン作成
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私は2023年4月より2年間に渡って、年に26コマ、私立大学にて『投資教育・ライフプランニング』の講義を行ってまいりました。その経験で培ったライフプランニングの考え方に基づき、ご相談者様それぞれのお立場に合わせたライフプランニング作成を行っています。
- 3.蓄積された富裕層に対する資産運用アドバイスの経験
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野村證券では、シンガポール社費留学時代に数十人の海外プライベートバンカーと面談を行い、海外の運用手法を研究しました。また帰国後、超富裕層に対して資産運用アドバイスに従事したのち、三菱UFJメリルリンチPB証券に転職し、債券知識の研鑽に努め、現在まで16年に亘って富裕層の方々に対する資産運用アドバイスを行っております。
どのようなお悩みでも構いません。よろしければ亀井岬までご相談くださいませ。この度は長文をお読みいただきまして、誠にありがとうございました。
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