【亀井岬IFAコラム】富裕層の資産運用(3億円で利息生活は可能か)

2025年4月16日(水)
株式会社アイ・パートナーズフィナンシャルの所属IFA、亀井岬と申します。
金融資産を1億円以上保有される富裕層の方々からご相談をお受けしております。
専門家や機関投資家が愛用するブルームバーグの専用情報端末を利用し、債券分析やポートフォリオ分析を行っております。現在は数十世帯から数十億円の資産を仲介する証券口座で管理し、資産運用のアドバイスを行っております。
本日は「富裕層の資産運用(3億円で利息生活は可能か)」についてお話させていだければと存じます。最後までご覧いただけましたら幸いです。
またポートフォリオ見直し、債券に関すること、資産承継、投資教育など、ご相談に関しましては以下のフォームよりお申込み頂けましたら幸いです。(ご相談は金融資産1億円以上の富裕層の方々から賜っております)
富裕層の資産運用(3億円で利息生活は可能か)
富裕層、または近い将来に3億円程度の金融資産を保有する見込みのある方々にとって、その資産の運用方法をどうするかは非常に重要なテーマです。
多くの方が「不労所得だけで生活するにはどのくらいの資産が必要なのか」と疑問に思うでしょう。また、「資産3億円で利息生活は可能か」と考える方もいるかもしれません。
本記事では、資産3億円を例に、運用収益で生活費を賄えるかどうかをシミュレーションで検証します。具体的には、年間2000万円を使う高消費シナリオと、年間500万円程度に抑える低消費シナリオの二つを比較します。
そして、それぞれの資産残高や運用収入の推移を見ていきます。この具体例を通じて、どの程度の支出が安全と言えるかについて、より明確なイメージを持っていただけるでしょう。


【筆者作成】
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高消費シナリオ:年間消費額2000万円の場合
年間2000万円ずつ資産を取り崩して生活費に充てる高消費シナリオでは、3億円の資産残高が毎年着実に減少していきます。例えば、60歳時点で3億円あった資産は、10年後の75歳からの1年間で1億円を下回り、80歳からの1年間でついにゼロになるという推移となります。

【筆者作成】
・資産が寿命まで持たない
・運用益も加速度的に減少
-
このような状況に陥る一番の理由として、毎年の利息や配当などの運用益だけでは年間2000万円の支出を賄いきれず、不足分を元本から補填していることが挙げられます。
例えば今回のように運用利回り3.6%で運用できたとしても、初年度の運用益は約1008万円にとどまり、差額の約1000万円を元本から取り崩す必要があります。
当然ながら、元本が減れば運用益も減少するため、資産減少のペースは年々加速していきます。結果とし、3億円ものまとまった資金があっても高額な支出を続ける限り、わずか20年程度(80歳前後)で資産寿命が尽きてしまう計算になります。
また実際には運用利回りは毎年安定したものになるとは限りません。運用開始の初期段階でパフォーマンスが低下し、元本の切り崩しが進んでしまう可能性もあります。
毎年7%近い取り崩しはオーバーペースと言えるかと思います。米国で一般的に目安とされる「4%ルール」でも将来の市場環境に左右されますが、今回の試算からもより消費額を抑えた取り崩し率にすることで、資産を長持ちさせることを検討すべきかもしれません。
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低消費シナリオ:年間消費額500万円の場合
年間の消費額を500万円程度に抑える低消費シナリオでは、3億円の元本をほとんど目減りさせずに運用益を再投資できるため、資産残高が年々着実に増加していきます。
シミュレーション結果によれば、75歳前後で資産は約4億円台に達し、最終的に90歳からの1年間で6億円を超える規模(当初の約2倍)にまで増えていました。

【筆者作成】
・運用収入自体が加速度的に増えている
・90歳からの1年間で6億円超の運用残高に
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例えば今回のように利回り3~4%で運用できたとすると、初年度の運用益は900万~1,200万円ほどになります。年間500万円を生活費に充ててもなお数百万円の余剰が生じ、それを元本に組み入れることで翌年以降の運用益がさらに増えていきます。
支出を運用益の範囲内に収めることで、資産を減らすどころか逆に増やしていく好循環が生まれるのです。生活費のすべてを運用収入(利息・配当収入)で賄えているため、いわゆる「利息生活」が完全に実現した状態です。
さらに、運用収入は年々増加し続けており、将来にわたって潤沢な資金を確保できるでしょう。資産を取り崩さずに増やしていることで老後資金に対する安心感は非常に大きくなります。
また、必要に応じてさらなる支出にも柔軟に対応でき、将来世代への資産承継にも余裕が生まれるでしょう。さらには資産額が増加してきたタイミングで取り崩し額を増額するなどライフプランにも多様性を持たせることが出来ます。
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終わりに
今回は高消費シナリオと低消費シナリオの2つのパターンから「3億円で利息生活が可能か」という観点でシミュレーションを行いました。
しかし実際に重要なのはまず「自分にとっての幸せとは何か」を明確にしたうえで、その幸せを損なわない範囲での支出額を見極めることであると考えています。
無理に支出を切り詰めてしまえば、日々の生活の質や心の豊かさが損なわれ、結果として本来望んでいたライフプランから外れてしまう可能性があります。
そのため、日常の満足感や価値観に基づいた適正な支出水準を設定することが、資産管理の第一歩となります。そのうえで、許容できるリスクと期待するリターンのバランスを慎重に検討したうえで、ポートフォリオの構成を調整し、資産の成長と保全の両立を図ることが重要です。
さらに人生の後半に向けてはご自身の人生設計に加え、次世代への資産承継についても計画的に考える必要があります。贈与や相続といった手段を通じて、どのように資産を引き継ぎたいのか、その意志を反映させた承継設計を行うことで、ご家族の将来に対する安心感にもつながります。
資産承継は単なるお金の移転ではなく、「想い」の継承でもあります。だからこそ、自分らしい生き方と両立するかたちで、戦略的に進めていくことが肝要です。
私にご相談いただくメリット
今回の記事は皆さまのお悩みやご関心に沿うものとなっていたでしょうか?私は冒頭でお示ししましたように、金融資産を1億円以上保有される富裕層の方々から投資に関するご相談をお受けしております。
以下は手前味噌ではございますが、ご相談の際に特にご好評を頂き「亀井に相談して良かった。」とおっしゃっていただいているポイントでございます。
- 専用情報端末を使ったリスク分析・債券分析
- 大学での講師経験に基づいたライフプラン作成
- 蓄積された富裕層に対する資産運用アドバイスの経験
- 1.専用情報端末を使ったリスク分析・債券分析
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私はプロの機関投資家も愛用するブルームバーグという専用情報端末を用いて、様々な分析を行っています。
ブルームバーグは相応の費用がかかることもあり、IFAとして活動しているアドバイザーは日本に数千人存在しますが、このシステムを導入しているようなアドバイザーは1%もいないのではないでしょうか。
少なくとも私は過去1人しかお話を伺ったことはございません。ブルームバーグを用いることで、①ポートフォリオがどれだけのリスクを取って運用されているのか ② リーマンショックなどの大きなショックが起こった際の最大損失シミュレーション ③ ご相談者ごとの理想的な資産配分等の分析が行えます。
実際に分析を行わせて頂いたお客様からは、「リスクに非常に偏りがあったことがわかった。」など、さまざまなご感想を頂いております。
また債券は一般にはその情報が公開されていることが少ないため、上述のブルームバーグのような専用情報端末を用いた分析が欠かせません。債券の値動き分析、ご要望に合わせた債券の発掘など様々な側面でお役に立つお話をさせて頂いております。
- 2.大学での講師経験に基づいたライフプラン作成
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私は2023年4月より2年間に渡って、年に26コマ、私立大学にて『投資教育・ライフプランニング』の講義を行ってまいりました。その経験で培ったライフプランニングの考え方に基づき、ご相談者様それぞれのお立場に合わせたライフプランニング作成を行っています。
- 3.蓄積された富裕層に対する資産運用アドバイスの経験
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野村證券では、シンガポール社費留学時代に数十人の海外プライベートバンカーと面談を行い、海外の運用手法を研究しました。また帰国後、超富裕層に対して資産運用アドバイスに従事したのち、三菱UFJメリルリンチPB証券に転職し、債券知識の研鑽に努め、現在まで16年に亘って富裕層の方々に対する資産運用アドバイスを行っております。
どのようなお悩みでも構いません。よろしければ亀井岬までご相談くださいませ。この度は長文をお読みいただきまして、誠にありがとうございました。
ご相談
ポートフォリオ見直し、債券に関すること、資産承継、投資教育など、ご相談は以下のフォームよりお申込みくださいませ。(ご相談は金融資産1億円以上の富裕層の方々から賜っております)

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〈加入協会〉
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(加入協会)
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