【IFAコラム】50代の富裕層におすすめしたい資産運用の考え方
2024年1月10日(水)
株式会社アイ・パートナーズフィナンシャルの所属IFA、亀井岬と申します。
金融資産を1億円以上保有される富裕層の方々からご相談をお受けしております。
専門家や機関投資家が愛用するブルームバーグの専用情報端末を利用し、債券分析やポートフォリオ分析を行っております。現在は数十世帯から数十億円の資産を仲介する証券口座で管理し、資産運用のアドバイスを行っております。
本日は「50代の富裕層におすすめしたい資産運用の考え方」についてお話させていだければと存じます。最後までご覧いただけましたら幸いです。
50代の富裕層におすすめにしたい資産運用の考え方
本日は私が50代の富裕層からのご相談の中で特に意識してお話している内容について、3点に絞ってお伝えさせていただきます。
・債券60、株式40のポートフォリオの検討
・20年以上の長期債投資も検討
・複利を意識した運用
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債券60、株式40のポートフォリオの検討
50代ともなればまだまだ現役バリバリでもっと株式を中心としたポートフォリオで投資を行っても良いのではないかとお考えになる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし私はお客様それぞれの個別の事情を勘案させていただきながらにはなりますが、基本的にはまずは債券6割程度の運用を検討いただくようお話しております。さらにポートフォリオを組むうえでは以下の点にも注意して投資をご検討いただくようにお話しています。
・リスクとリターンのバランスを重視
・日本の財政状況、将来的な円の価値を勘案した資産運用
- 1.リスクとリターンのバランスを重視
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金融資産が1億円以上ある富裕層の場合、まずは税引き前で年率リターン4%程度を目指すことで、引退するための着実な資産形成を図っていただきたいとお伝えししています。
なぜなら引退するまでに10年程度期間がある富裕層の方が多く、時間的な余裕から、ともするとかなりリスクを取った資産運用を行ってしまう危険性があるからです。
10年は長いようで短く、リーマンショック級とまではいかなくても3割程度の下落が株式市場で起こった場合、リカバリーが出来ずに引退を迎える可能性もございます。
生涯現役が確定している、あるいは積極的な資産運用を希望されているなど、特別なご事情がある場合は除いて、原則的には年率4%程度の税引き前リターンを目指すためのリスクを勘案したポートフォリオをご提案しています。
その結果として、私が仲介する証券口座にお預けいただく資産のほとんどを債券運用としていただく富裕層の方もいらっしゃいます。
一方でそういった方でも他社で運用されている資産も含めると、運用資産全体の債券割合は6割~8割程度に収まっている方がほとんどです。
- 2.日本の財政状況、将来的な円の価値を勘案した資産運用
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次にお話している内容として、日本円に対するリスクヘッジを行うポートフォリオを組んでいただくというものが挙げられます。
50代であれば平均余命は30年前後はあるかと思います。これから30年の日本の財政状況、経済状況を勘案した場合に日本円が今の為替水準の価値を保てるかどうか、お客様それぞれのお考えをお伺いしております。
そういった流れの中で私自身は金融資産の5割を米ドルを中心としたポートフォリオとしていただくことで、日本円がこれ以上安くなるリスクと円安に伴うインフレに対するリスクのヘッジを行うことをご検討頂いております。
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20年以上の長期債も検討
次の投資の注意点・おすすめポイントとして、投資に人生を煩わされないための投資を行っていただきたいというをお話しています。それでは具体的にお話していきます。
・売買を減らすことで本業や家族に集中
・信用力を重視した銘柄選定
- 1.売買を減らすことで本業に集中
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お客様には「資産運用に囚われないこと」をお伝えしています。約17年の私のアドバイザー人生において感じていることは、資産運用には中毒性があるということです。
投資する資産内容によっては資産額が毎秒変化することもあり、自分の資産運用の状況を気にしだすとキリがありません。
大切な家族や本業に割くべき時間が、資産価値の変化の確認作業や資産価値の変化に対する一喜一憂の時間に割かれてしまうことが起こっています。
とりわけ資産運用に本気で向き合う必要のあるタイミングが投資決定の瞬間です。長期債への投資を検討することで、満期までの期間が長くなることから、売買の頻度を低減させることが出来ます。
結果的に本気で投資と向き合う回数を減少させることで本業や家族など、お客様それぞれの人生においてより重要な要素へ時間を割いていただくことが可能となります。
また長期債へ投資を行うことで、売買頻度を低下させるとともに、現地通貨建てでの利回りを長く確定させることが出来ます。
金利低下と債券利回りの関係性などの詳細は以下の関連記事に譲りますので、ご興味のある方は合わせてご覧くださいませ。
- 2.信用力を重視した銘柄選定
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一方でそのような長期債への投資を行う場合に注意すべきポイントとして、信用力のある発行体への投資を検討することをおすすめしています。発行体とは債券を発行している国や会社のことを指します。
いくら売買頻度が落とせても投資した資産が大きく値動きする、あるいはつぶれるかもしれないと言ったニュースが飛び込むようでは人生の大切なことに集中できません。
特に信用力が低い発行体、信用力が状況により大きく変動してきた発行体は要注意であると考えています。格付けの引き下げや、CDS(クレジットデフォルトスワップ)の上昇は、債券価格を押し下げる可能性を生みます。
投資に絶対はありませんので、現在の評価が素晴らしい発行体の20年満期債券に投資を行ったとしても、上記のような信用力の低下による債券価格の変動に見舞われないとは言えません。
しかし少なくともまずは投資家自身が大丈夫だろうと思える発行体に投資を行っていただくことをお勧めしております。
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複利を意識
最後に50代のお客さまへおすすめしたいのが、複利効果を意識した商品選びです。
・ゼロクーポン債の検討
・株式やETFの配当、分配金の取り扱い
- 1.ゼロクーポン債の検討
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複利効果を享受する投資商品として私がまず思い浮かべるのが、ゼロクーポン債です。ゼロクーポン債とは一般的に利息をゼロとする代わりに債券価格を低く設定し、その債券価格を満期時点で100にして償還するという仕組みの投資商品です。
私が考えるこの商品のメリットとしては、投資の果実に対して税金が課されるタイミングが満期や途中売却時点まで生じないことです。
つまり利付債であれば、利払いのタイミングで毎年課税されてなくなってしまう税金分も満期や途中売却時点まで運用することが可能で結果として複利効果が出やすいということです。
一方でデメリットとしてはゼロクーポン債の種類が少なく、米ドル建ての債券であれば米国債のストリップス債と言われる投資商品ぐらいしか私は出会ったことがありません。
結果的に米国の信用力に基づく利回りが米ドル建ての社債に比べて低くなる傾向があります。そのようなメリットデメリットを勘案したうえで、一部のお客様にはご提案を行うようにしております。
- 2.株式やETFの配当、分配金、債券の利息の取り扱い
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また見過ごされがちなのが投資した商品から得られる配当、分配金、利息などのいわゆる投資の果実と呼ばれるものに対する取り扱いです。
50代というのはまだまだ本業に大変お忙しいタイミングであり、年に何度も訪れる利払いや配当の支払いのタイミングをいちいち意識することは難しいかと思います。
米ドル建てMMFへの再投資が容易に行える投資商品や証券会社であれば、そのような設定を行うことが一つの解決策となり得ます。
一方で円建てで受け取る配当や分配金、米ドル建てでも米ドル建てMMFへの再投資の設定が難しい配当や分配金などは受け取ったまま何年も放置されることのないよう、定期的な再投資を行うことをおすすめしています。
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最後に
ポートフォリオ見直し、債券に関すること、資産承継、投資教育など、ご相談は以下のフォームよりお申込みくださいませ。(ご相談は金融資産1億円以上の富裕層の方々から賜っております)
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金融商品仲介業者 関東財務局長(金仲)登録番号 第314号
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本記事はある特定の投資目的や金融ポジション、あるいは特定のニーズにこたえたものではありません。将来的には予想通りの結果とならない可能性があります。本資料で取り上げられている投資対象や投資戦略の適正については投資アドバイスを受けることをお勧めします。投資利益あるいは投資対象の価格・価値は変動する可能性があり、投資収益が投資額を下回る場合もあります。
投資に関する最終決定は、お客さまご自身の判断でなされますようお願い申し上げます。
・所属金融商品取引業者等
楽天証券株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長 (金商)第195号
〈加入協会〉
日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、日本商品先物取引協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会
株式会社SBI証券
金融商品取引業者 関東財務局長 (金商)第44号、商品先物取引業者
〈加入協会〉
日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会、一般社団法人日本STO協会、日本商品先物取引協会
あかつき証券株式会社
金融商品取引業者 関東財務局 (金商)第67号
(加入協会)
日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会
東海東京証券株式会社
金融商品取引業者 東海財務局長 (金商)第140号
〈加入協会〉
日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人日本STO協会
野村アセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長 (金商)第373号
〈加入協会〉
一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会
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・所属金融商品取引業者等が二以上ある場合は、お客様の取引の相手方となる所属金融商品取引業者等の商号または名称を商品や取引をご案内する際にお知らせいたします。