【債券投資】富裕層の債券投資(投資信託・ETFのメリット・デメリット)
2024年2月5日(月)
株式会社アイ・パートナーズフィナンシャルの所属IFA、亀井岬と申します。
金融資産を1億円以上保有される富裕層の方々からご相談をお受けしております。
専門家や機関投資家が愛用するブルームバーグの専用情報端末を利用し、債券分析やポートフォリオ分析を行っております。現在は数十世帯から数十億円の資産を仲介する証券口座で管理し、資産運用のアドバイスを行っております。
本日は「富裕層の債券投資(投資信託のメリット・デメリット)」についてお話させていだければと存じます。最後までご覧いただけましたら幸いです。
富裕層の債券投資(投資信託・ETFのメリット・デメリット)
富裕層においては債券に直接投資を行うことが一般的であるかと思います。一方で富裕層であっても投資信託やETFを通じた債券投資も検討に値するかと思っております。
本日はそのような投資信託やETFを通じた債券投資のメリット・デメリットについてお伝えしていきたいと思います。
・さらなる分散投資が可能(メリット)
・個別債券投資よりも不透明な要素(デメリット)
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さらなる分散投資が可能(メリット)
債券運用を投資信託を用いて行うメリットについて解説していきたいと思います。
・債券への直接投資ではせいぜい10銘柄が限界
・デュレーション管理も容易
- 1.債券への直接投資ではせいぜい10銘柄が限界
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まず最初のメリットとして、投資信託やETFへ投資を行うことで多くの銘柄への分散投資が可能となることが挙げられます。
私がメインでご提案している投資信託では2000銘柄程度への分散を行っているものも存在します。
投資銘柄数が多ければ良いと言うわけではないですが、実際問題として個別債券への投資を行った場合、何銘柄程度へ分散投資が可能でしょうか。
私がご提案を行う債券の場合、最低投資金額は10万ドルから20万ドルのものが中心となります。平均して15万ドルと考えた場合、1ドルを150円とすると、1銘柄へ投資するにあたり約2250万円が必要な計算となります。
例えば10銘柄に分散投資を行おうと考えた場合、約2億2500万円が必要な計算となります。不可能な金額ではないかもしれませんが、少なくはない投資金額となります。
一方で投資信託やETFのメリットはファンドの運用方針に共感した投資家から少しずつお金を集めて、何十億、何百億、何千億円というまとまったお金を使って、分散投資を行ってくれることです。
結果として1万円程度からでも購入が可能となっています。
- 2.デュレーション管理も容易
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一般的に金利変化に対する債券の価格感応度を示す値を「デュレーション」と呼びます。そしてデュレーションが長いほど債券は金利変動に対して感応度が高くなり、債券価格の変動がより大きくなると言われています。
例えば今後アメリカの長期金利の上昇を予想する中で、デュレーションを短くすることで保有債券の価格下落を防ごうと考えたとします。
個別債券に直接投資を行っていた場合に、そのような戦略を容易に保有ポートフォリオに適用することができるでしょうか。
実際にポートフォリオのデュレーションを短くするためには、保有する債券の満期を短いものに入れ替える、あるいは利息の支払い方法を固定金利ではなく、変動金利型を採用している債券に入れ替えるなどの方法が考えられます。
当然そのような入れ替えには売買が必要です。そして個人投資家が債券の売買を行うには、証券会社や債券取り扱い業者に一定の手数料を支払う必要があり、投資効果が薄れる可能性が考えられます。
一方で投資信託やETFの場合、運用を行う運用会社の取り扱う債券の残高や注文を行う債券のロットが個人投資家とは比較にならないほど大きくなります。
結果として債券業者から要求される手数料率も個人投資家に比べると小さくなると考えられます。また投資信託の種類によっては個人投資家では扱えないような種類の債券の投資を行うことが可能となります。
つまり個人でデュレーション管理を行うよりも売買にかかる費用を抑えて、多様なポートフォリオを組むことが出来る可能性があると言えるのではないでしょうか。
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個別債券投資よりも不透明な要素(デメリット)
次に投資信託のデメリットについて私が考えるポイントを確認していきたいと思います。
・利回りが現地通貨建でも確定しない
・信託報酬が1%前後はかかる
- 1.利回りが現地通貨建てベースでも確定しない
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例えば皆さんがドルベースの最終利回りで5%の個別債券を購入した場合を考えます。
満期保有を前提に考えた場合、購入において提示された現地通貨建ての利回り5%はデフォルトや利払い停止、早期償還など特別の事業がない限り、現地通貨建てベースで期待出来ます。
一方で債券に分散投資を行う投資信託やETFの月次レポート(ファンドの運用成績を開示する資料)において、ポートフォリオの利回りが現地通貨ベースで5%と記載されていたとします。
こちらも先程の個別債券同様、現地通貨ベースで5%の利回りが期待できると考えて良いでしょうか。答えはNoです。これはポートフォリオの中身が基本的にファンドマネージャーや運用会社の考えによって適宜入れ替えられるからです。
よって購入時点の月次レポートにおいて現地通貨ベースの利回りが5%と記載されていても、それを鵜呑みにすることはできません。
多くの債券ファンドには満期という概念がないため、実質的な投資利回りは売却時まで確定しないことが多く見られます。
- 2.信託報酬が1%前後はかかる場合が多い
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こちらは個別の債券投資には通常発生しない費用となります。一方で投資信託では、投資を行うことで証券会社や運用会社などの様々な利害関係者に信託報酬という名目で費用を負担する必要があります。
インデックスファンドではこのコストが0.1%程度といった場合も散見されますが、債券へ投資を行う投資信託の場合、ファンドマネージャーを雇ったファンドも多く、信託報酬が1%以上に設定されていることも多く見受けられます。
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