【コラム】富裕層がIFA(独立系資産運用アドバイザー)を検討する際に気を付けるべきこと
2023年9月20日(水)
株式会社アイ・パートナーズフィナンシャルの所属IFA、亀井岬と申します。
金融資産を1億円以上保有される富裕層の方々からご相談をお受けしております。
専門家や機関投資家が愛用するブルームバーグの専用情報端末を利用し、債券分析やポートフォリオ分析を行っております。現在は数十世帯から数十億円の資産を仲介する証券口座で管理し、資産運用のアドバイスを行っております。
本日は富裕層がIFA(独立系資産運用アドバイザー)を検討する際に気を付けるべきことについてお話させて頂ければと存じます。
以下の関連記事はそもそもIFAとは何者かについて解説した記事となります。IFAについてあまり詳しくない方は合わせてお読みください。
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富裕層がIFA(独立系資産運用アドバイザー)を検討する際に気を付けるべきこと
現在記事をご覧いただいている皆様は、アドバイザー探しにおいてどのようなことに気を付けていらっしゃいますか?
もし私自身が投資家として、IFAに資産運用をアドバイスしてもらう立場になったとすると、以下3点について特に意識してお話を伺いたいと思います。では次の章からそれぞれの内容について説明していきたいと思います。
・手数料について
・金融商品仲介業者と雇用関係にあるのか
・経験が豊富か
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手数料について
多くのご相談者様がまず最初に頭に浮かぶ疑問点だと思います。以下2点について特に注意してIFAからお話を聞かれることをお勧めしたいと思います。
・支払う手数料が安ければ安い程よいのか?
・フォローアップの頻度
- 1.支払う手数料が安ければ安い程よいのか?
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相談者にとっては、支払う手数料が少なければ少ない程、良いイメージを持たれる方が多いと思います。しかし例えば弁護士に法律相談を行う際に、相談料が1時間2000円ですと言われたら、どのように感じますか?
アメリカにおいて個人の資産運用にあたっては IFA が主たる役割を果たしており、とりわけ富裕層においては医師、弁護士、会計士(税理士)と並ぶプライベートなお抱え専門家としての存在感を示し、活躍しています。
このような立場であるIFAが、医師や弁護士、会計士といった専門家の時給に比べて明らかに安いコストでアドバイスを行うと提案してきた場合、どのように考えればいいでしょうか?
私はなぜアメリカでは名だたる士業と同格に見られるIFAが明らかに低いコストで担当者としてアドバイスが出来るのか、その裏側をしっかり確認するべきだと思います。
確認内容からその正当性が納得できるのであれば、前向きに検討していただけるお話だと思います。しかし、安いコストである理由について明確な説明がなければ、取引は慎重に検討すべきだと思います。
- 2.フォローアップの頻度
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フォローアップの頻度に関しては事前にしっかりIFAに確認しておくべきポイントであると考えています。IFAの手数料体系として一般的な売買の都度手数料を頂くモデルでは、投資家は最初にある程度まとめて手数料を支払う形が一般的となります。
一方で金融商品は価格変動を前提に購入することで利益を出すことを目的とするため、買って終わりではありません。一つの商品の保有期間が数年ときには10年単位となることも十分考えられます。
そういった中、IFAは買付のタイミングでまとまった手数料をいただいた以外には、継続的に手数料を頂く機会は一般的には限定されています。
つまり購入商品と手数料体系によっては、数年から10年単位の期間、ほとんど手数料を頂かずにフォローアップを行う必要性が生じ得ます。そのような流れの中でどこまでフォローアップが適切に行ってもらえるのか、事前にしっかり確認した方が良いと思います。
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金融商品仲介業者と雇用関係にあるのか
次にIFAと金融商品仲介業者(証券会社の代理店のような存在)の関係性に注目した、注意点についてお話していきたいと思います。
・IFAは業務委託型か正社員型か
・証券会社から独立しているからと言って、顧客本位のアドバイスが出来るとは限らない
- 1.IFAは業務委託型か正社員型か
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業務委託型IFAとは、所属する金融商品仲介業者と雇用関係ではなく、IFAが個人事業主の立場で、金融商品仲介業者からIFA業務を委託されているという関係になります。
一方で正社員型IFAは金融商品仲介業者と雇用関係にあります。よくIFAのメリットとして耳にする言葉として「組織から独立しているため、中立的なアドバイスが出来る」といったものが挙げられると思います。
業務委託型IFA、正社員型IFAはともに確かに証券会社からは独立した立場にあります。一方で正社員型IFAは金融商品仲介業者とは雇用関係にあり、独立した立場ではないため、所属する金融商品仲介業者の組織の方向性に対して、業務委託型に比べて影響を受ける立場にあると私は考えます。
- 2.証券会社から独立しているからと言って、顧客本位のアドバイスが出来るとは限らない
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前項では正社員型IFAは金融商品仲介業者と雇用関係にあるため、独立した立場にはないことをお話しました。では業務委託型IFAは金融商品仲介業者からも独立しているため、より中立的なアドバイスが望めるのでしょうか?
私はそれほど単純な話ではないと考えています。確かに業務委託型IFAは一人オーナーという性質が強く、組織とのしがらみが少ないという点で、お客様のことをまず考えた(顧客本位)のご提案が行える一つの条件が整っていると思います。
一方で個人事業主として独立することで失ったものは、安定した給与収入です。業務委託型IFAは組織から独立しているため、基本的に自分の収入は100%自分で稼ぐ必要があります。
業務委託型IFAとしてその収入を頂く方法は、お客様からいただく手数料が中心となっており、さらにその手数料の頂き方は、売買の都度手数料をいただくという方法が主流のため、どうしてもIFAがお客様に定期的に売買をご提案するモチベーションが生まれてしまうことを否定出来ないと思っています。
そういった状況を打破するため私がたどりついた一つの答えが、お預かり資産に応じた残高フィーを頂戴する楽天証券の「管理口座コース」という手数料モデルです。
これはIFA口座専用に導入された仕組みで、口座残高合計の1%(税別)を手数料(残高フィー)として頂戴し、株式・投信・債券の売買についての手数料は無料またはごくわずかというサービスです。
売買をすることで担当者に手数料が発生することはなく、値上がりやお客様のご入金によって資産残高が増えることで、IFAの手数料も増えるためお客様とアドバイザーのベクトルを一致させることが出来ると考えています。
このようなメリットに共感頂き、現在は半数以上のお客さまが管理口座コースでご資産を仲介する証券口座にお預けいただき、資産運用のアドバイスを行わせていただいております。
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経験が豊富か
・リーマンショック級の下落を経験しているか
・特定の商品の専門家であることを謳っている場合はその根拠を確認
- 1.リーマンショック級の下落を経験しているか
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私の感覚では、直近の10年間は下落らしい下落がない、良いマーケット環境であったと思います。最近のマーケットの急落の事例に関して申しますと、直近ではコロナショックが挙げられるかと思います。
しかしこのショックは数週間でマーケットが回復し、私の感覚では厳しい下落局面ではなかったと感じています。さらに遡った場合、リーマンショックまでは本当に大きな下落局面はなかったように思います。
だからこそ、今後大きな下落が来ないかどうか常にポートフォリオ管理に気を配りながら、資産運用を行っていく必要があると私としては考えております。
ここで重要なポイントは下落幅の想定とその後の投資行動のイメージ作りを実体験に基づいて行えるかどうかだと考えています。
データ上のマーケットの下落と、実際にそれを体験するのとではその恐怖感は天と地ほどの差になります。直近の良いマーケット環境しか経験出来ていないアドバイザーの場合、下落に対する想定が甘くなってしまうのではないかと私は懸念しています。
そういった意味では大きな下落を経験したアドバイザーに資産管理を任せようとすると、最低でもリーマンショックを経験したアドバイザーである必要があり、年齢は40歳に近い方以上が対象になるかと思います。
必ずしも実体験が必要ではないかもしれませんが、実際にリーマンショックを経験した身としてはあの恐怖感は体験しないとわからないのではないかと考えています。
- 2.特定の商品の専門家であることを謳っている場合はその根拠を確認
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IFAには証券外務員の資格を保有し、金融商品仲介業者と契約できれば、だれでも成ることが出来ます。証券外務員資格試験の難易度は高いものではないため、弁護士や会計士に比べて圧倒的にIFAになるハードルは低いと思います。
資格業に就くハードルが低いということは、知識面、経験面で様々なアドバイザーが存在する可能性が否定できないということだと思います。
特定の商品の専門家であることを謳うことも自由に行えます。例えばお医者様で眼科の専門医が風邪の診断や、外科手術を行うことはほとんどないと思います。
一方でIFAは株、債券、REIT、ヘッジファンド、仕組債など様々な商品を幅広にご提案していることも多く見受けられます。それぞれの商品知識を本当に高いレベルで保有しているのか、知るすべはかなり限られていると思います。
担当者の選定を行う際には、そのアドバイザーのキャリアや、SNSなどの発信をしっかり確認するとともに、実際の面談を含めて、その人となり、知識、経験について確認することをお勧め致します。
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おわりに(富裕層の方々へ)
金融資産1億円以上の富裕層の方々は本当に様々なお悩みを抱えていらっしゃいます。私は16年間金融のプロフェッショナルとして、日本と海外で、富裕層のお客様のお役に立つべく、研鑽を積んで参りました。
どのようなお悩みでも構いません。よろしければ亀井岬までご相談くださいませ。この度は長文をお読みいただきまして、誠にありがとうございました。
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(所属金融商品取引業者)
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