【IFAコラム】富裕層の資産運用とは(初心者にもわかりやすく)

2024年1月19日(金)

株式会社アイ・パートナーズフィナンシャルの所属IFA、亀井岬と申します。

金融資産を1億円以上保有される富裕層の方々からご相談をお受けしております。

専門家や機関投資家が愛用するブルームバーグの専用情報端末を利用し、債券分析やポートフォリオ分析を行っております。現在は数十世帯から数十億円の資産を仲介する証券口座で管理し、資産運用のアドバイスを行っております。

本日は「富裕層の資産運用とは(初心者にもわかりやすく)」についてお話させていだければと存じます。最後までご覧いただけましたら幸いです。

目次

富裕層の資産運用とは(初心者にもわかりやすく)

投資初心者の富裕層において、どういったことを意識して資産運用をすべきでしょうか?実際に私がお客様にお伝えしているポイントについていくつかお伝えしていきたいと思います

・目的は資産の保全

・分散投資が基本

・税金にも目を向けて

【関連記事】

目的は資産の保全

資金循環の日米欧比較(2023年8月25日 日本銀行調査統計)より引用

上の図は日本銀行が公表している各国の家計の金融資産の構成を表しています。

日本において顕著であるのは現金・預金の割合が米国やヨーロッパに比べて圧倒的に多いということ、また有価証券を通じた資産運用の割合が少ないということだと思います。

このように他国に比べて、リスクを取らない自国通貨建ての資産が多い状況はどのような影響を資産に及ぼすでしょうか?

インフレ、円安などを通じた円ベースでの資産価値の目減りを防ぐこと

私は昨今、日本でも大変話題となってきているインフレや円安の影響をもろに受けてしまうのが、現在の日本の家計における金融資産の構成状況だと思っています。

まずインフレ、またはインフレーションとは一般的な物価レベルが上昇し、貨幣の購買力が低下する現象を指します。このようにインフレが進行すると、同じ金額で購入できる商品やサービスの量が減少します。

例えば30年の間、年率2%のインフレが継続した場合に利回りゼロの1億円の価値は約5500万円にまで低下してしまいます。

そして円安についてですが、円安とは日本円の価値が他の通貨に対して下落する状態を指します。なぜ円安が発生するのかというと、経済的な要因、政治的な不安、市場のセンチメントの変化など様々な理由が考えられます。

また円安が進むと輸入品の価格の上昇を通じて、国内でのインフレが加速する可能性があります。よく議論になりますが円高と円安、どちらが良いかという問いには一概に答えられません。

円高は輸入品の価格を下げる一方で、輸出企業の利益を減少させる可能性があります。一方、円安は輸出企業にとって有利ですが、輸入品のコスト増加につながります。

しかし、先ほど述べたような日本の金融資産の構成状況を考えると、円安が進行することでインフレも継続し、円資産の価値の目減りは大きくなるのではないかと思っています。

よって投資初心者の富裕層にはまずは円ベースでの資産価値を保全するため、円安をメリットとして享受できるような資産運用の構成を考えていただくようお伝えしています。

要するに、資産運用の戦略を立てる際には、どれだけ増やすかということではなく、インフレや通貨価値の変動(特に円安)に注意を払い、どれだけ減らさないようにするかということを考えることが重要です。

【関連記事】

分散投資が基本

筆者作成

上記ポートフォリオは商品名は記載されていませんが、実際に私がお客様にご提示したポートフォリオの割合になります。このポートフォリオにおいて、私が重要視したのは分散投資です。

・分散投資とは

分散投資とは投資リスクを減らすために、異なる種類の投資商品に資金を分けて投資する戦略です。この方法はリターン(収益率)の振れ幅の大きさを分散し、投資全体のリターンの安定性を高めることを目的としています。

株式投資を行う場合においても、例えば20銘柄以上の異なる株式に投資することで、一つの企業や業界の不振が全体のポートフォリオに大きな悪影響を与えるのを防ぐことができます。

このように分散投資を意識したポートフォリオ通じて、市場の変動に強く、安定したリターンを目指すことができる可能性が高まると考えています。

そして投資初心者には、投資信託(ファンド)あるいはETFを用いた分散投資をおすすめしています。投資信託・ETFは複数の資産に自動的に分散投資する仕組みを持っており、個々の銘柄選定を行う必要性がありません。

さらに昨今、新NISAを通じて再度注目されている積立投資を組み合わせることで、時間分散も行いながら長期的な視点で資産を増やす試みが可能になります。

最後に分散投資は「意味のない投資」ではありません。リターン(収益率)の振れ幅の大きさを分散投資全体のリスクを抑えることで、長期的な安定した成長を目指す投資戦略です。

市場の不確実性に対して、資産を守りつつ成長させるための重要な方法として、多くの投資家に採用されています。特に富裕層の投資初心者にとって分散投資は投資の世界に足を踏み入れる上で非常に有効なアプローチと言えるでしょう。

【関連記事】

税金にも目を向けて

No.4155 相続税の税率|国税庁 (nta.go.jp)から加工して筆者作成

最後に、上の図は国税庁が公表している相続税の早見表になります。このような高い税率をご覧になると、資産運用で資産を増やす意味があるのかとお感じになる富裕層の方もいらっしゃるかもしれません。

しかし私自身は逆にこれだけ高い税率であるからこそ、資産運用を通じて相続資産を増やす必要性があると考えています。

・相続税を意識した資産運用

先ほども述べたように日本の富裕層は、資産運用において単に現在の収益を最大化するだけでなく、相続税にも注意を払う必要があると考えています。

日本における相続税率は累進課税によって決定され、大きな資産を有する富裕層ほど高い税率が適用されます。このため、資産が多いほど相続時に大きな税金の負担が生じる可能性があります。

日本においても富は3代続かずという言葉がございますが、これは高い日本の相続税を表した言葉と言えるでしょう。そして海外移住がこのような相続税の高い税率から逃れるための一つの選択肢として検討されることがあります。

例えばシンガポールのような国は総合的に日本に比べて低い税率で知られており、相続税等の税金の負担を軽減できる可能性があります。ただし海外移住は税金面だけでなく、様々な側面から慎重に検討する必要があります。

例えば私がシンガポールに社費留学をしていた際には、その暑さに耐えきれませんでした。海外移住は自分だけでなく家族を巻き込んだ話となります。

税金だけでなく、衣食住すべての環境をうまく適合させることができるかがポイントとなってくるため、非常にハードルが高いと私は考えています。

よって総じて富裕層の投資初心者は、相続税の現状と将来の税率変動を理解し、それに対応する税金対策を実行するとともに、資産運用を通じて納税資金を確保することをお勧めしています。

例えば50歳で親世代が亡くなり相続が起こり、金融資産5億円を承継したとします。その資産を30年、複利計算で年率3%で運用できたと仮定すると30年後には約12億円になります。

インフレ率は考慮していませんが、12億円の金融資産であれば、半分が相続税だとしても、6億円を次世代に承継することができ、同じことを繰り返すことができれば、富は3代続かずと言う言葉を否定することができるのではないでしょうか

このように、相続税が高い日本においては相続対策の一環として資産運用計画を組み込むことが重要です。これにより将来にわたって資産を守り、次世代への円滑な資産の移転を実現することができる可能性が高まると考えています。

ご相談

ポートフォリオ見直し、債券に関すること、資産承継、投資教育など、ご相談は以下のフォームよりお申込みくださいませ。(ご相談は金融資産1億円以上の富裕層の方々から賜っております

プライバシーポリシー
に同意のチェックを頂くことでクリック頂けます。

プロフィールへ

株式会社アイ・パートナーズフィナンシャル

金融商品仲介業者  関東財務局長(金仲)登録番号 第314号

個別相談ではご紹介する商品等の勧誘を行う場合があります。各商品等にご投資いただく際には商品毎に所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。 又、各商品等には価格の変動等による損失を生じる恐れがあります。

金融商品を対象とした投資には、金利、通貨の価格、金融商品市場における相場その他の指標にかかる変動を直接の原因として価格が変動するリスクにより、損失を被ることがあります。また、信用リスク、流動性リスク、権利行使期間・契約解除期間の制限などを原因としても、損失を被るリスクが伴います。外貨建て投資では、為替相場の変動により、円貨で計算した場合に投資元本を割り込み損失を被ることがあります。

各商品等へのご投資にかかる手数料等およびリスクについては、当該商品等の契約締結前交付書面、目論見書、お客様向け資料等をよくお読みになり内容について十分にご理解ください。

本記事は、ご投資家の皆様に対して、投資に関する一般的な情報の提供を目的として作成されたものであり、記載されているデータまたは意見や予測は金融商品の売買の勧誘等の意図は一切含むものではありません。本資料のデータは各種の情報源から入手したものですが、その正確性を保証するものではありません。過去のデータは必ずしも将来の動向を示唆するものではありません。将来的に期待したリターンが得られるとは限らず、実際の収益を確約するものではありません。

本記事はある特定の投資目的や金融ポジション、あるいは特定のニーズにこたえたものではありません。将来的には予想通りの結果とならない可能性があります。本資料で取り上げられている投資対象や投資戦略の適正については投資アドバイスを受けることをお勧めします。投資利益あるいは投資対象の価格・価値は変動する可能性があり、投資収益が投資額を下回る場合もあります。

投資に関する最終決定は、お客さまご自身の判断でなされますようお願い申し上げます。

所属金融商品取引業者等

楽天証券株式会社

金融商品取引業者 関東財務局長 (金商)第195号
〈加入協会〉
日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、日本商品先物取引協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会

株式会社SBI証券

金融商品取引業者 関東財務局長 (金商)第44号、商品先物取引業者
〈加入協会〉

日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会、一般社団法人日本STO協会、日本商品先物取引協会

あかつき証券株式会社

金融商品取引業者 関東財務局 (金商)第67号
(加入協会)

日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会

東海東京証券株式会社

金融商品取引業者 東海財務局長 (金商)第140号
〈加入協会〉
日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会一般社団法人日本STO協会

野村アセットマネジメント株式会社

金融商品取引業者 関東財務局長 (金商)第373号
〈加入協会〉
一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

・当社は所属金融商品取引業者等の代理権を有しておりません。

・当社は、いかなる名目によるかを問わず、その行う金融商品仲介業に関して、お客様から金銭若しくは有価証券の預託を受けることはありません。

・所属金融商品取引業者等が二以上ある場合、お客様が行おうとする取引につき、お客様が支払う金額または手数料等が所属金融商品取引業者等により異なる場合は、商品や取引をご案内する際にお知らせいたします。

・所属金融商品取引業者等が二以上ある場合は、お客様の取引の相手方となる所属金融商品取引業者等の商号または名称を商品や取引をご案内する際にお知らせいたします。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次